隔月刊『風景写真』の撮影会 レポート&講評会

fukeitour.exblog.jp ブログトップ

江口愼一さんと行く月山 ブナと花、水風景が美しい初夏の山麓へ! 【WEB講評会】

自然豊かな初夏の月山で開催された撮影会。
期間中にはブナ林や季節の花々に加え、滝や渓谷などの水風景と出合うことができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の江口愼一さんがセレクトしてコメントします。

なお、江口さんのご厚意により、今回に限りお一人さま2作品ずつ掲載・講評します。


b0199137_11104466.jpg
戸田彩子さん「もうすぐ、夏」
蝉の抜け殻を主人公にして、とてもバランスよくまとめられています。バックの木漏れ日の光を活かした背景処理が秀逸でした。ソフトなボケ味のトーンの中で、シャープに描写された主題が、よりいっそう際立って見えますね。


b0199137_11174231.jpg
戸田彩子さん「一瞬の光」
絶妙のシャッターチャンスを的確に捉えられました。天空から差し込む木漏れ日の光が可憐な花を浮き彫りにし、その姿がアンダーな背景から印象深く映し出されています。バックの透過光に透ける鮮やかな葉のグリーンや、手前の葉の上に落ちた花のシルエットもおもしろい演出をしています。


b0199137_1155428.jpg
矢吹幸子さん「森の家族」
逞しいブナの生命力を感じさせる表現になっています。下から見上げるようにして捉えられた視点が的確でしたし、曲線を描く樹景の特徴も上手くフレーミングされています。鮮やかな緑の色調に初夏の季節感が漂っていますね。


b0199137_11231843.jpg
矢吹幸子さん「光走る」
瞬間的な葉に差し込んだスポットライトに着目し、味わい深い作品に仕上げられています。シャープに描写された葉脈の表情が印象的ですし、ソフトなボケ味を効かせた背景処理も巧みでしたね。爽やかな森の空気感を覚える絵になりました。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-08-23 11:28 | WEB講評会

江口愼一さんと行く月山 ブナと花、水風景が美しい初夏の山麓へ!

今回で5回目を迎えた月山での撮影会。ブナや季節の花々といった被写体の他に、
渓流や滝などの水風景を撮る予定でしたが……。

「あれっ? おかしいな……」
それは、とある滝を訪れた時に江口さんの口から出た言葉でした。
目の前に広がっていたのは、岩場をショボショボと力なく伝う水で、
滝が持つ豪快で優美なイメージにはほど遠い状態。

そこで、急遽近くの日本の滝100選に選ばれている七ツ滝へ向かいました。


b0199137_12086.jpg
しかし、ここも水量は少なめ……。

そろそろ夕方になる頃でしたが、このままでは終われない!
と弓張平に立ち寄ったところ、そこには辺り一面にタンポポの綿毛が夕日に美しく輝いている、
夢のような光景が広がっていたのです。


b0199137_15581991.jpg
この光景を見た参加者の皆さんは、一気に撮影モードのスイッチが入ったようで、
綿毛が黄金色に染まる様子をマクロレンズなどを使って夢中で撮影していました。


また、今回の撮影会では、今までに訪れたことのない場所にも行きました。
b0199137_1241614.jpgb0199137_1244338.jpg
ここは仁田山牧場。
牧場には黄色い花が咲き、その向こうには月山・湯殿山・姥ヶ岳の雄姿を一望することができる
とても気持ちのいい場所でした。


b0199137_1111060.jpg
こちらも今回初めて訪れた神通峡。
渓谷に寄り添うように整備された遊歩道から撮影できる場所で、
美しい水の流れと切り立った岩のコントラストが印象的でした。

常連の参加者の方からは「こんな場所があったとは!」と驚きの声が上がり、
あらためて月山の自然の豊かさを実感することができました。


b0199137_15421194.jpg
宿から徒歩数十秒のロケーションにある五色沼。
水辺にはミツガシワが咲き、対岸の木々が夕方の斜光線に浮かび上がる光景を、
皆夢中で撮影しているところです。


b0199137_1142582.jpg
早朝、霧が立ち込めているのを見て、江口さんは急遽予定を変更。
弓張平へ着くと、木々が霧の中に浮かび上がる幻想的な風景が広がっていました。


b0199137_1152571.jpg
夜中に降った雨のお陰で、濡れてしっとりとした風情が漂うブナ林。
滴る雨が筋を描き、幹の表面にはきれいな模様ができていました。


b0199137_15453584.jpg
b0199137_15473775.jpg
b0199137_15492212.jpg
b0199137_15494921.jpg
また、期間中にはセミナーや作品の添削指導、室内でのマクロ撮影の実践セミナー、
ジャンケンパーティーなど、盛りだくさんのイベントが行われました。


b0199137_11814.jpg
もちろん、セミナーだけでなく、撮影場所でも江口さんはフレーミングを見せてくれました。
小川に反射した光をどのようにボカしたらいいのか、ピントリングを回しながら
解説しているところです。


美しい風景だけでなく、宿のおいしい料理と温泉にも癒された今回の撮影ツアー。
大自然の豊かさを大いに満喫して、皆、笑顔で月山を後にしました。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-08-16 11:11 | 撮影会レポート

辰野 清さんと訪ねる越後路、春色あふれる松之山へ【WEB講評会】

新緑と残雪のコントラストが眩しい春の松之山で開催された撮影会。
期間中には、美人林の新緑や朝霧漂う棚田、桜の古木などに出合うことができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の辰野 清さんがセレクトしてコメントします。


b0199137_20252450.jpg
舘岡保夫さん「はるいろ」
芽吹きが始まり出しても、美人林の池に融雪が残っていることはとても珍しい状況です。残雪が加わることで、芽吹きの緑色と水面に浮かぶ昨年の枯れ落ち葉をスムーズに繋ぎ、春の穏やかな時間がゆっくりと流れています。投影された木々のラインを丁寧に構成しているので、軽やかな春のリズム感も表現されました。


b0199137_20253711.jpg
高橋由香理さん「感喜の歌」
小さな里山にも春が訪れました。古くから信仰の礎とされてきた神社とともに、この桜の老木も多くの人々に敬愛されてきたことでしょう。冬が明けて、満開の桜から受ける生命力の強さは、この地域に生きる人々の心の高まりを意味します。暗い背景に対して半順光となる光の選択も良く、花びらの一枚一枚の色を鮮やかに描くことができましたね。ちょっと色褪せた赤いトタンの入母屋屋根も作品にのどかさを添えています。


b0199137_20255574.jpg
斉藤紀子さん「映り代わり」
雨上がりの水たまりに小さな春の姿を見つけましたね。雨に打たれて散った数枚の花びらに、華やかさの代償ともとれる儚さを描こうとした着眼点が素晴らしいです。多くの方が桜そのものに着目する中で、新鮮な個性を感じさせます。我が子を覗くような構成は、女性ならではの思いやりの表れですね。地表であることを表す水際のラインを少し入れると、散ってしまった現実感が高まり、さらに儚さの後押しをします。


b0199137_20261291.jpg
辻 利徳さん「若緑輝く」
芽吹いて間もない透き通るような若葉の森で、深呼吸をしたくなる作品です。大きな森の中で二本のブナがともに生きている姿が逆光に浮かび上がり、印象的ですね。太陽を樹で隠すことで、木々のシルエットと輝く若葉のコントラストの鮮やかさが際立ちました。勢いを感じる対角線上での構成ですが、画面手前中央に樹を入れて存在感を優先する力強い構成も考えられます。


b0199137_20275931.jpg
内山義昭さん「無題」
残雪がたっぷり残る豪雪地帯ならではの風景。満開の桜を小さめに配置し、その場で感じた空間の心地良さを素直に表現しています。青空に立ち上がる卷雲の爽快さと眩いばかりの残雪とのコントラスト、縦位置での高さへの期待感など、あたかも自分がその場にいるかのような空気感が漂う美しい作品です。左側の森の奥に続くラインは、青空への求心力を削ぐのでカットした方がいいですね。


b0199137_20284638.jpg
小林一郎さん「春の訪れ」
小林さんの作品は広めに撮影された写真が多くありましたが、どれも必要な空間を端正な構成力でまとめていて安定した写真力を感じます。この作品も川のS字カーブを軸に、川柳の新緑をバランスよく配置しています。この日は日差しが強く、コントラストが作画の邪魔をする状況でしたが、一瞬の雲の翳りと緑色をアピールする思い切った露出の判断は適切でした。


b0199137_20291033.jpg
藤井敏雄さん「春暁-2」
同じ場所から撮影した、空をわずかに入れた作品と、空を入れないで撮った写真の選択を含めた評価を、とのことですが、私は空を入れない「春暁-2」を選びました。空を入れた写真は空の効果による遠近感が生まれ、「春暁-2」は、手前の丘を多く入れたので同じような広い遠近感が出ています。そうなると作者が何を見せたいかが注目されますが、「春暁-2」は棚田にたなびく光芒をしっかりと見せています。上下を影のスペースで挟んだ効果も、光芒をより魅力的に感じる一因でしょう。主題が強く感じることで作品は強くなりますから、「春暁-2」の方が構成も含めて優れていると言えます。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-08-04 20:36 | WEB講評会

辰野 清さんと訪ねる越後路、春色あふれる松之山へ

ブナの美しい林相で知られる松之山の美人林。
昨年の秋に引き続き、今回もこの地を訪れました!

b0199137_16503740.jpg
例年、この時期には残雪が解けてしまうことが多いのですが、
今年は冬に降った雪の量が多かったため、
2日目の午前中に訪れるとあたりは一面の残雪に覆われていました。

b0199137_1651518.jpg
しかも、ブナはつい2、3日前に芽吹き始めたばかり。
新緑とブナ林から見上げる青空のコントラストがとても美しく印象的でした。

b0199137_16535926.jpg
こちらは早朝に訪れた星峠の棚田。
眼下に目を向けると、そこには朝霧が漂っていました。

b0199137_16545625.jpg
しばらくすると太陽が遥か向こうの山並みから顔を出し、
やがて朝霧を美しく染めました。

b0199137_16551514.jpg
まだたっぷりと雪が残っていた棚田。


b0199137_165620100.jpg
この場所は、廃校になった学校の敷地跡。
桜が夕方の斜光線に浮かび上がっていました。
懐かしさを覚える風景です。


そして迎えた最終日。この日は、思いもよらぬ光景に出合えたのです。
それは山間の小さな集落にある、小高い丘の上にそびえる二本の桜の
古木を訪ねた時のこと。
松之山に精通した辰野さんでさえも、その桜の存在をそれまで知らなかったそうですが、
それもそのはず、地元の方の話によればなんと30年ぶりに咲いたというのです。

b0199137_16564569.jpg
例年であれば、ウソなどの鳥に蕾を食べられてしまっていたのが、
今年は開花の時期がずれたことで食べられずに見事な花を咲かせたのでした。

b0199137_1714573.jpg
桜のすぐ近くで、残雪の間から顔をのぞかせるフキノトウ。
付近にはミズバショウも咲いていて、まさに春の風景が盛り沢山でした。

b0199137_1725295.jpg
辰野さんの指導にも熱が入ります。


さらに帰り際、何気なく上空を見上げてビックリ!

b0199137_165813.jpg
なんとそこには日暈が出現していたのです。
突然の出来事に驚きながらも、皆さんは桜と日暈を夢中で撮影していました。


帰路についた皆さんの表情は、千載一遇の風景に出合えた至福に満たされていました。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-06-26 20:02 | 撮影会レポート

辰野 清さんと行く秋の松之山、ブナと棚田を訪ねる3日間【WEB講評会】

懐かしい山村風景が広がる松之山で開催された撮影会。
期間中には、紅葉のブナや柿の木などをはじめ、早朝に訪れた棚田では霧が眼下を包み込む
千載一遇のチャンスにめぐり合うことができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の辰野 清さんがセレクトしてコメントします。


b0199137_10442119.jpg
舘岡保夫さん「狭霧たつ棚田」
日の出の頃の幻想的なドラマも終息に近づき、日常ののどかな棚田へと変化する一瞬を
捉えました。手前に入れた枯れススキが秋の風情を誘っています。
また霧の動きのバランスを見ながら、大きな水田を手前に配置して画面を構成したことで
安定感が増し、格調高い風景になりました。


b0199137_10513139.jpg
古沢修一さん「プリズムの小径」
知らないうちにコツコツと自分の風景を撮っていたのですね。秋光に輝くススキに見守られ、
古沢さんの心は憧憬への小道を歩いて行ったのでしょう。
虹色の光の屈折は、童心の楽しい思い出と見ることもできます。出会いの発想を優先した
独自の表現が光ります。


b0199137_10453499.jpg
小原ハルミさん「無題」
秋葉が舞う池のほとりで、小原さんに小さな出会いがあったようですね。
まだ緑葉をまとう小さな木を、森の仲間たちが見守り応援しているような、曲線と直線を
うまく活かした画面構成が独創的です。
青空の効果もあり、生命力溢れる森の会話が聞こえてきます。


b0199137_10455239.jpg
斉藤紀子さん「錦の袋帯」
蔦の葉の落ち茎が露わになった姿を見て、錦の袋帯に例えた斉藤さんは感性豊かな人
なのでしょうね。逆光に輝く紅葉の縦のラインに西陣の経錦をイメージしたのでしょうか。
そのように見ると、日陰の黒染めと朱色の織糸のコントラストに雅な美しさが
感じられるから不思議です。


b0199137_10523646.jpg
佐藤宣臣さん「風雪に耐えて」
豪雪地帯の過酷な環境に耐えた生命の造形を、広角レンズで撮影したことでより力強く表現
しています。光の動きを見ながら強い光を避けて撮影したことで、あがりこブナの複雑な
陰影を描くことができました。モノクロを選択した表現からは、造形への感動をストレートに
表そうとする佐藤さんの気合が感じられます。


b0199137_10462945.jpg
白子優子さん「秋深し」
秋の収穫が過ぎた山里。田んぼに残った稲株と取り残された柿の彩りにどことなく
やるせなさが漂う風景です。
伸びた庭草から察するに、茅葺き屋根の住人は今はもう居ないのかも知れません。
目立つ曇り空をうまくカットして、それぞれの趣を端正な構成でまとめた作品です。


b0199137_104732.jpg
市川貴史さん「銀杏染」
地面を埋め尽くす銀杏の落葉が、行く秋の憂愁を誘っています。まるで金色のタペストリーを
敷きつめたような美しさがありますね。力強い樹根を構成の軸としたことで、幾久しく繰り返す
命の燃焼であることも示唆しています。
落葉に包まれるような緑色の草も、季節の移ろいとともに大地に馴染んでいくのでしょう。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-03-01 11:09 | WEB講評会

辰野 清さんと行く秋の松之山、ブナと棚田を訪ねる3日間【1】【2】

【1】
美人林で有名な松之山で開催された「辰野 清さんと行く秋の松之山、ブナと棚田を訪ねる3日間」。
2日目の早朝には素晴らしい光景に出合ったのですが、
実は常連の参加者の方の間では、以前から「辰野さんの撮影会では何かが起こる!」と
噂になっていたそうです。
その2日目の様子については、後ほどレポートするとして、
まずは初日の出来事から……。


b0199137_10243467.jpg
最初に訪れたのは、まるで昔話に出てくるような佇まいの大厳寺というお寺。
境内に立つイチョウの大木が、鮮やかに色づいていました。


b0199137_10251421.jpg
イチョウの大木の下に広がっていたのは、黄色い落ち葉の絨毯。


b0199137_10254184.jpg
まるで毛が生えているようなフシギな形をしたツタウルシを撮影中。


b0199137_10255714.jpg
さらに次の場所では、色づいた柿の実と茅葺き屋根の古民家が、
懐かしい日本の山里の姿を見せてくれました。


b0199137_10261744.jpg
撮影を終えて宿に戻ると、すぐにセミナーが始まりました。
このセミナーでは、辰野さんが一枚の作品を作り上げるまでに、どのようなカットを
撮りながらフレーミングを追い込んでいくのか、途中で撮影した写真も上映しながら
解説するというもの。
ふだん目にすることのないカットを見た皆さんからは、「とても勉強になった!」
「わかりやすかった!」との声が次々とスタッフに寄せられました。


そして翌日、2日目の早朝。
この朝は美しい棚田が広がる星峠で撮影したのですが、そこでドラマチックな光景と
出合うこととなったのです。
その時の出来事はまた次回……というのは少々勿体ぶっているので、
少しだけご紹介すると……。

b0199137_10264773.jpg
星峠に着いた一行が目にしたものは、眼下を覆い尽くす霧の海。
東の空が色づき、周囲が徐々に明るくなってきました。


b0199137_10271785.jpg
杉木立は、まるで霧に浮かんでいるようでした。

ということで、今回はここまで。
次回のアップをお楽しみに!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

【2】
皆さま、大変お待たせしました!
ではさっそく、前回の続きから……。

b0199137_16221444.jpg
眼下に広がる霧の海。
これだけでも十分にフォトジェニックな光景ですが、ここに太陽の光が差し込むと……。


b0199137_162325100.jpg
こうなります!
皆さんは、この光景に大興奮!
光を浴びた朝霧は、次々とその表情を変えました。


b0199137_16245060.jpg
しばらくすると、杉木立の間から光芒が発生!


b0199137_16262429.jpg
さらに、太陽が移動すると一枚の棚田が輝き始めました。



星峠での“絶景”と出合ってまだ興奮の余韻が残る中、
次に向かったのはブナの二次林で有名な美人林です。
b0199137_1629359.jpgb0199137_16305910.jpg
林床には落ち葉が敷きつめられ、池には優美な曲線を描くブナの姿が映り込んでいました。


そして午後は、大厳寺高原へ。
b0199137_16302424.jpg
溜め池に映り込むユニークな形をしたススキの群落が、一行を迎えてくれました。


b0199137_16312337.jpgb0199137_1631412.jpg
こちらはすぐ近くにある奇形のブナの大木。
夢中で撮影している皆さんと比べると、その大きさが良くわかると思います。


b0199137_1634350.jpg
最終日は、ふたたび美人林へ。
この日の天気は雨。
ブナの幹は雨に濡れて黒々として、前日とはまったく違う表情を見せてくれました。

皆さんの「今度は春に来たいです!」との言葉を残して、撮影会は終了しました。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-02-22 10:55 | 撮影会レポート

マクロの達人・江口愼一さんと訪ねる秋色の月山【WEB講評会】


美しいブナの原生林が広がる東北の名峰・月山。
この地を知り尽くした江口さんの案内で、紅葉に包まれた滝や沼の畔のブナの彩り、
朝日に輝く湖面など、期間中にはさまざまな被写体を撮影することができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の江口愼一さんがセレクトしてコメントします。


b0199137_11192765.jpg
永井敏夫さん「地蔵池の秋」
夕方の斜光線によって浮かび上がった池の情景が、とても艶やかに表現されています。
対岸の味わい深い樹景に的を絞った構成が秀逸でしたね。
手前の草木のシルエットの活かし方も的確で、おもしろい効果を上げています。
メリハリの効いた画面に仕上げられました。


b0199137_112013100.jpg
加藤澄子さん「朝つゆ」
とても瑞々しい作品ですね。朝露のひと粒が実にシャープに描写されていて、
その滴の中の映り込みも印象的です。光の円ボケを活かした表現も美しく魅力的で、
清々しい空気感が感じられる写真になっています。
動きのある緊張感を覚える画面構成が秀逸でしたね。


b0199137_1122133.jpg
滑川敏行さん「秋の陽」
秋の穏やかな光に縁取られたブナの樹景が、とても印象深く表現されています。
ラインライトに光る幹の表情が美しく魅力的ですし、背景の紅葉の森の情景と絡めた
画面構成がバランス良くまとまっています。
明暗のコントラストが画面を引き締めて、メリハリを与えています。


b0199137_11222656.jpg
小川三良さん「秋の宝」
やや視線を下げて、水面に映り込んだ情景に的を絞ったフレーミングが秀逸です。
その思い切った切り取りによって、実に個性的な表現となっています。
とてもバランス良く構成されいて、水辺の瑞々しさや秋の爽やかな空気感が伝わる
画面に仕上げられました。


b0199137_11224328.jpg
小池福子さん「秋の彩」
落葉して裸木となった樹木とその奥の紅葉を重ね合わせて、おもしろい演出効果を
生み出しています。手前の樹に味わいがあり、画面全体として趣きも
感じさせる表現になっています。
深みのある色調描写に配慮した露出設定が的確でしたね。


b0199137_11231084.jpg
齋藤建彦さん「寄り添う木々と見守る仲間たち」
特徴的なブナの幹のラインに着目し、とてもユニークで独創的な絵づくりをされています。
低い視点からブナを見上げるようにして狙い、超広角レンズで
ワイドに捉えたフレーミングが秀逸でしたね。
周囲の樹々も巧みに活かし、迫力を覚える画面にまとめられています。


b0199137_11232849.jpg
松本修一さん「曙光」
朝焼けの温もりを覚える色調が印象深く描写されています。
シルエットで捉えた山の表情が画面を引き締め、雲のフォルムが画面全体に
動きを与えています。ややアンダー気味の露出設定がピタリと決まり、
コクのある色合いが得られました。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-02-20 12:01 | WEB講評会

マクロの達人・江口愼一さんと訪ねる秋色の月山【1】【2】

【1】
皆さま、新年あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします。

大変遅くなりましたが、
昨年の秋に開催された月山撮影会のレポートをお届けします。

b0199137_1659325.jpg
開校式後にまず向かったのは、宿から車で数分の地蔵沼近くのブナ林です。


b0199137_1703690.jpg
こちらは地蔵沼。美しい姿で一行を出迎えてくれました。


b0199137_1722378.jpg
江口さん(右)のフレーミングを見る参加者の皆さん。
江口さんは、ススキに夕日を絡めながらボケ味を活かす撮影方法を解説してくれました。


b0199137_174627.jpg
翌早朝は、月山に続く林道脇でブナの紅葉を撮影。
道路の両側にはブナの巨木が数多く見られました。


b0199137_1772179.jpg
b0199137_1782099.jpg
朝食後は、室内でマクロ撮影の“実践セミナー”を実施。
江口さんから撮影方法をレクチャーしてもらった直後に、
自分ですぐに実践して確認できたので皆さんにとても好評でした。


b0199137_17154871.jpg
セミナー後は宿の近くにある弓張平へ。桜の木がきれいに色づいていました。


b0199137_1718695.jpg
紅葉を撮影していた江口さん。
水滴がついた落ち葉を発見すると、すかさず地面に寝転がりマクロ撮影モードに。


b0199137_17185654.jpg
b0199137_17211930.jpg
その日の午後は、巨大な赤い鳥居が印象的な湯殿山神社へ。


b0199137_1729689.jpg
湯殿山神社から宿に戻る途中、眺めのいいポイントで撮影しました。
美しい紅葉が広がる雄大な風景に、参加者の皆さんは夢中で撮影していました。


早朝に美しい光景が次々と現れた3日目以降のレポートは、また次回アップいたします。
近日中にアップする予定ですので、どうぞお楽しみに!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


【2】
大変お待たせしました!
月山撮影会の3日目以降のレポートをお届けします。
前日の天気予報では、あまりいい天気ではなかったのですが、
3日目の早朝は美しい光景が次々と現れたのです。

b0199137_14393441.jpg
まずは弓張平に到着すると、日の出とともに素晴らしい自然のショーが始まりました。


b0199137_1440394.jpg
日が昇ってしばらくすると、今度は背後に大きく半円の弧を描いた虹が出現!


b0199137_14402753.jpg
その興奮冷めやらぬうちに、雲間から差し込んだスポット光が
眼下の湖を美しく照らし出しました。


b0199137_14411851.jpg
通り雨の雨粒が、落ち葉の上できれいに輝いているのを見つけると、
すかさずマクロレンズを装着して撮影開始!


b0199137_14421662.jpgb0199137_14425291.jpg
朝食後の撮影風景。かなり山奥で撮影しているようにも見えますが、
実はこの場所は宿のすぐ裏手にある沼なのです。
周囲の紅葉と水面に浮かぶ落ち葉がきれいでした。


b0199137_14431349.jpg
午前中は“あがりこブナ”の巨木を撮影し、午後は鶴岡市の七ツ滝へ。
七ツ滝は日本の滝100選のひとつで、皆さんはその美しい姿を夢中で撮影していました。


撮影会の期間中に宿泊した「まいづるや」は、
山形駅から車で1時間ほどの月山志津温泉にあります。
食事がおいしい宿として人気が高く、最近はテレビなどで紹介されることも。
b0199137_1513135.jpg
この他にも山菜の天ぷらや山形名物の芋煮など、さまざまな料理が出てきました。
旬の素材を活かした料理は絶品です!


b0199137_1515298.jpg
江口さんが持っているのは、月山山麓しぼりたて濁りワインの“ほいりげ”。
“ほいりげ”は、ビンの中で常に発酵しているので生ワインとも呼ばれ、
シャンパンのような味わいが特徴です。


b0199137_1522144.jpg
最終日は地蔵池の近くにあるキャンプ場で紅葉を撮影。
しばらくすると光が差し込み、朝露がキラキラと輝きました。


b0199137_1525218.jpg
最後の撮影で訪れたのは、ブナの二次林。
ここでも江口さんは自分のフレーミングを皆さんに公開していました。


月山の美しい紅葉を満喫した参加者の皆さん。
「次回もまた、ぜひ来たいです!」との言葉を残し、撮影会は終了となりました。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2012-01-05 17:10 | 撮影会レポート

鈴木一雄さんと辿る風景多彩な新緑の小国【WEB講評会】

例年よりも雪解けが遅かった飯豊山麓の小国の森。
期間中にはカタクリの群生地や川霧湧く渓谷、そして霧に包まれたブナ林など
さまざまな被写体を撮影することができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の鈴木一雄さんがセレクトしてコメントします。

なお、鈴木さんのご厚意により、今回に限りお一人さま2作品ずつ講評します。

b0199137_10393967.jpg
町田欣也さん「夜明け前」
夜明け前の雰囲気がよく表れている作品です。山の上にたなびく雲を一番形のいい時に
捉えていて、適正な露出で妖艶な感じを見事に表現しています。
まるで絵画を思わせるような一枚です。


b0199137_1039505.jpg
町田欣也さん「艶やかに」
ブナが立ち並ぶ様子を力強く切り取りましたね。
題名通りに、雨に濡れたブナの幹肌の艶やかな美しさがしっかりと描かれています。
木の背景が明るいことで、より強く光が感じられる画面になりました。


b0199137_10391640.jpg
千葉慶胤さん「ぶな歓喜」
いくつも枝分かれしているブナの巨木が、雨に打たれてしっとりとした光景を情感豊かに
描いています。広角レンズを使う場合は、カメラ位置の選択がとても大切ですが、
いいポジションを選んで撮影しています。露出も適正です。


b0199137_1112263.jpg
千葉慶胤さん「朝霧の里」
まるで中国の山水画を思わせるような風景です。山肌や田んぼのディテールをわずかに残す
青白いローキー気味の露出が絶妙です。田おこしが始まる前の画面手前の田んぼから、
小国の遅い春が感じられます。



b0199137_1027275.jpg
関口俊夫さん「午後の水面」
切り詰めた露出により、湖面の表情がくっきりと浮かび上がりました。
明るめの露出では決して描けない、水面の模様とシルエットの木立の造形美が実にうまく
組み合わさっています。アップ気味に捉えて正解でした。


b0199137_1027226.jpg
関口俊夫さん「妖精の唄」
前ボケをうまく配置しながら、縦位置で主役を上手にフレーミングしています。
ピントも蘂(しべ)にきちんと合っています。タイトルと写真がマッチしていて、
画面構成にもまったく無駄がありません。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2011-09-06 10:57 | WEB講評会

辰野 清さんと行く春の伊那路、桜三昧の旅!

例年より開花が遅かったものの、撮影会の期間中には見事に満開となった伊那谷の桜。
しだれ桜やエドヒガンをはじめ、スイセンやコブシなど季節の花々にも
出合うことができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の辰野 清さんが一枚を選んでコメントします。

b0199137_1537272.jpg
奥村静子さん 「春の彩り」
桜など千両役者が揃う春においては、姿形の割には椿の印象は比較的薄いと思います。しかし、奥村さんはしだれ桜の影で楚々と咲く一輪に注目したことで、椿が春の主役を演じましたね。視点の鋭さが個性として感じられます。背景の空が明るく、椿が黒く潰れてしまう難しい場面ですが、わずかな光に注目し露出を上手に決めています。


b0199137_15372099.jpg
北岑順彦さん 「早春」
真っ白な雪山と澄みわたる青空、田おこし間近の田んぼの畦道に咲く満開のスイセン。まさに信州を代表する絶景ですね。アングルを低く構えて、スイセンと雪山が気持ちよさそうに会話しているような構成が、北岑さんの拘りなのでしょう。スタンダードな作風ですが、長く飾っても見飽きない美しい作品です。


b0199137_16305077.jpg
舘岡保夫さん 「よりそって、春」
田園風景ならではの、のどかな春の空気感がいいですね。ゆっくりと温められ、蒸すような土手や枯れ草の匂いも感じられます。舘岡さんは一足早く春を迎えたコブシの大樹と桜の若木の対比に、春のささやきを聞いたのでしょう。もう人気の無い旧家も繰り返す時代の流れを感じさせ、味わい深い脇役として生きています。
[PR]
# by fukei_photo-tour | 2011-07-01 16:03 | WEB講評会
line

『風景写真』の撮影会です


by fukei_photo-tour
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite