隔月刊『風景写真』の撮影会 レポート&講評会

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辰野 清さんと行く秋の松之山、ブナと棚田を訪ねる3日間【WEB講評会】

懐かしい山村風景が広がる松之山で開催された撮影会。
期間中には、紅葉のブナや柿の木などをはじめ、早朝に訪れた棚田では霧が眼下を包み込む
千載一遇のチャンスにめぐり合うことができました。
「WEB講評会」では、参加者の皆さんが期間中に撮影した写真の中から、
講師の辰野 清さんがセレクトしてコメントします。


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舘岡保夫さん「狭霧たつ棚田」
日の出の頃の幻想的なドラマも終息に近づき、日常ののどかな棚田へと変化する一瞬を
捉えました。手前に入れた枯れススキが秋の風情を誘っています。
また霧の動きのバランスを見ながら、大きな水田を手前に配置して画面を構成したことで
安定感が増し、格調高い風景になりました。


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古沢修一さん「プリズムの小径」
知らないうちにコツコツと自分の風景を撮っていたのですね。秋光に輝くススキに見守られ、
古沢さんの心は憧憬への小道を歩いて行ったのでしょう。
虹色の光の屈折は、童心の楽しい思い出と見ることもできます。出会いの発想を優先した
独自の表現が光ります。


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小原ハルミさん「無題」
秋葉が舞う池のほとりで、小原さんに小さな出会いがあったようですね。
まだ緑葉をまとう小さな木を、森の仲間たちが見守り応援しているような、曲線と直線を
うまく活かした画面構成が独創的です。
青空の効果もあり、生命力溢れる森の会話が聞こえてきます。


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斉藤紀子さん「錦の袋帯」
蔦の葉の落ち茎が露わになった姿を見て、錦の袋帯に例えた斉藤さんは感性豊かな人
なのでしょうね。逆光に輝く紅葉の縦のラインに西陣の経錦をイメージしたのでしょうか。
そのように見ると、日陰の黒染めと朱色の織糸のコントラストに雅な美しさが
感じられるから不思議です。


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佐藤宣臣さん「風雪に耐えて」
豪雪地帯の過酷な環境に耐えた生命の造形を、広角レンズで撮影したことでより力強く表現
しています。光の動きを見ながら強い光を避けて撮影したことで、あがりこブナの複雑な
陰影を描くことができました。モノクロを選択した表現からは、造形への感動をストレートに
表そうとする佐藤さんの気合が感じられます。


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白子優子さん「秋深し」
秋の収穫が過ぎた山里。田んぼに残った稲株と取り残された柿の彩りにどことなく
やるせなさが漂う風景です。
伸びた庭草から察するに、茅葺き屋根の住人は今はもう居ないのかも知れません。
目立つ曇り空をうまくカットして、それぞれの趣を端正な構成でまとめた作品です。


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市川貴史さん「銀杏染」
地面を埋め尽くす銀杏の落葉が、行く秋の憂愁を誘っています。まるで金色のタペストリーを
敷きつめたような美しさがありますね。力強い樹根を構成の軸としたことで、幾久しく繰り返す
命の燃焼であることも示唆しています。
落葉に包まれるような緑色の草も、季節の移ろいとともに大地に馴染んでいくのでしょう。
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by fukei_photo-tour | 2012-03-01 11:09 | WEB講評会
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『風景写真』の撮影会です


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