今回の撮影会では、飯豊山麓の森で芽吹き始めたばかりのブナの巨木と
残雪を心ゆくまで撮影する……はずでした。
ところが、残雪があまりにも多く、その森に通じる道路が開通していなかったことから
急遽予定の変更を余儀なくされました。
そんな状況にも関わらず、小国に通って20年の鈴木さんが案内してくれたのは……

小国町の横川ダムの畔。
湖から顔を出す新緑の木々と、太陽の光を受けてキラキラと輝く
湖面のさざ波のハーモニーが絶妙でした。


翌日の早朝には樽口峠へ。到着してしばらくすると、
残雪の飯豊連峰の上空に不思議な形をした雲が現れました。
この雲の出現は、天気が崩れる前触れだったのでしょうか!?
というのも、この数十分後に夕立のような雨が突然降ってきたからです。

山奥で撮影しているように見えますが、
実はこのカット、撮影会で泊まった梅花皮荘の脇から撮影したものです。
雨が激しくなったため樽口峠から宿に戻ったところ、
川霧が出ていたので急遽撮影を始めたのでした。
この続きのレポートは、次回お届けいたします。
参加者の皆さんが夢中で撮影したカタクリの群生地や、霧に霞むブナ林での撮影の様子を
お伝えいたしますので、ご期待ください!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【2】
お待たせしました!
小国撮影会レポートの第2弾です。
2日目の朝食後は、梅花皮荘から温身平方面へ。
本来ならばバスで飯豊山荘まで行けるのですが、今年は例年になく残雪が多く、
温身平へ通じる道路がまだ通行止めだったので徒歩で向かいました。
小雨が降る中をしばらく歩いていくと……。

道路脇の残雪から、大量の冷気が滝のように流れ落ちていました。
豪雪地帯ならではの風景ですね。

玉川には川霧が立ち込めていました。


午後は一面に咲き乱れるカタクリの群生地へ。
「カタクリが撮れるとは思わなかった!」と、皆さん驚きながらも撮影に没頭!
鈴木さんは、その狙い方などを詳しくアドバイスしてくれました。


いよいよ最終日です。
早朝は、霧に霞む独特の形をした岩山を撮影しました。
その後、新緑の渓谷に行くと、ここにも川霧が立ち込めていました。

と、ここで鈴木さんのミニセミナーが突然始まりました。
ザックのレインカバーや色の違うタオルをスポット測光で測り、露出がどのように変化するかを
解説しているところです。

最後はブナが生い茂る健康の森へ。
雨に濡れたブナ林に霧が湧き、参加者の皆さんは大喜び。
ブナの幹は濡れて黒々と光り、優しい色合いの新緑と相まって美しい風景を見せてくれました。
残雪の森には行けなかったものの、さまざまな被写体を撮影した皆さんの表情は満足げ。
内容の濃い充実した3日間となりました。
撮影会が行われる数日前、辰野さんとスタッフは大弱り。
それというのも、伊那谷の桜の開花が例年になく遅れていたからです。
しかし「早く咲いて!」という願いが通じたのか、それから暖かい日が続き、
撮影会当日には多くの桜が満開になりました。
まず最初に訪れたのは、宿がある中川村にほど近い飯田市。

桜の脇に椿が寄り添う珍しい風景を撮影しました。


撮影中は、辰野さんが一人一人丁寧に指導!
皆さんからは「わかりやすい」「疑問に思っていたことが解消した」との声が聞かれました。
その後、宿に戻り、辰野さんによるセミナーと
参加者の方々の作品添削を行って、一日目は終了しました。
翌日の早朝は、宿から5分の大草城趾公園での撮影です。

ここは桜の大木が数多くある場所で、しだれ桜や八重桜など桜の種類もさまざま。

夜半に降った雨が山間部では雪になっていたようです。
標高の高い中央アルプスの山肌は、うっすらと雪化粧していました。

しだれ桜の若木も満開を迎えていました。
2日目の日中は南信州を代表する有名な桜を撮影しました。
そのレポートは近日中にお届けしますので、お楽しみに!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
【2】
お待たせしました!
南信州撮影会のレポートの続きをお届けします。

2日目は、まず高森町の松源寺へ向かいました。
広々とした境内には、数本の桜の大木が花を咲かせていました。

その後、場所を移動して撮影したのは、満開のコブシの木。
「桜ばかりでは飽きてしまうので」という辰野さんならではの配慮です。

午後に訪れた麻績の里では、満開を迎えた舞台桜と石塚桜が圧巻でした。
この舞台桜は樹齢350年のしだれ桜で、横に大きく広がる姿がとても印象的。

舞台桜から数分歩くと、こんもりと盛り上がった小さな古墳の上に鎮座する
石塚桜が満開でした。澄んだ真っ青な空と桜のコントラストが実に見事!
絶好の撮影条件に恵まれ、参加者の皆さんはホクホク顔でした。

夕方には高森町の瑠璃寺へ。この境内には、数多くの桜の古木があります。

最終日の早朝は、吉瀬の桜へ。
夜が明けると、しだれ桜の背後に聳える残雪の中央アルプスが
モルゲンロートに染まりました。

朝食後に訪れたのは、やはり残雪の山々を背景に咲く満開の桜。
山々に囲まれた信州らしい風景です。
最後は駒ヶ根で可憐なスイセンを撮って、3日間の撮影会を締めくくりました。
茨城の渓谷の紅葉や、大洗海岸の日の出をめぐる撮影会です。
24日の朝に東京を発った一行は、常磐道を北上し
まず最初に紅葉の名所として名高い花貫渓谷へ向かいました。

対岸の紅葉を撮影する皆さん。渓谷に光が差し込み、立体感のある風景が撮れました。


渓谷の一角に広がっていたのは、落ち葉の絨毯。
色鮮やかな紅葉との組み合わせが、とてもフォトジェニックでした。

清らかな流れが特徴の花貫渓谷。渓谷沿いに遊歩道があるので、
気軽に散策しながら撮影できました。
翌日は大洗海岸へ。
海に目を向けると、そこには前日の穏やかな天気からはまったく想像できない
“絶景”が広がっていました。

岩礁に立つ「神磯の鳥居」を飲み込まんばかりに次々と押し寄せる大波。

しばらくすると、今度は波間から“けあらし”が立ち上り始めました。
予想もしなかった風景に出合い、参加者の皆さんは早朝から大興奮!

太陽が高く昇るにつれ海は一面黄金色に染まり、
皆さんからは「キリがない!」との嬉しい悲鳴が。
それでも波が打ちつける瞬間や、海鳥が海上を飛ぶタイミングを見計らって
数多くのシャッターを切っていました。

宿を出発して、次に向かったのは下滝。
黄色や橙色に染まったモミジが、滝の周囲を美しく染めていました。

ご覧の通り展望台は段状になっているので、思い思いの場所を選んで撮影できました。

数段にわかれて流れる滝と紅葉したモミジの組み合わせは、まさに“日本の美”。
撮影時間を延長して、ゆっくりと撮影しました。
思わぬ出合に恵まれて、帰りの皆さんの表情はとてもにこやか。
感動の余韻に浸りながら、東京へと向かったのでした。
この時期になると、伊豆半島は早くも春の彩りに包まれます。
その代名詞とも言えるのが「河津桜」です。
今回はその「河津桜」の撮影が一番の目的ですが、まず初日は伊豆半島内陸部にある
月ヶ瀬梅林へ行きました。


ピンク色の花をつけて可憐に咲く梅。
その傍らには、スイセンが植えられていました。

山口さん(中央)が、撮影した画像を皆さんに見せているところです。
液晶モニターが反射して見にくくならないように、被り布を使用しています。
プロ写真家ならではのアイデアですね。

宿に戻ってからは、セミナーと皆さんの作品の添削指導がスタートしました。
セミナーでは、山口さんが数日前に下見をしたときに撮影した写真をプロジェクターで上映。
被写体の狙い方やフレーミングなどを詳しく解説してくれました。
2日目は、いよいよ河津桜の撮影です。

まずは、菜の花畑で早朝撮影を開始。


そして、お待ちかねの河津桜が咲く下賀茂温泉へ。
雨が降ったおかげで、桜や菜の花の色はよりいっそう艶やかになりました。

午後は伊豆半島の先端部にある石廊崎へ。荒々しい海岸風景が続きます。

雨が降りやみ天気が回復した夕方は、天城トンネル付近でカツラの巨木などを撮影しました。

最終日の早朝は達磨山へ。
朝日が山肌を照らしたものの、あいにくと雲が垂れ込め、目の前に見えるはずの富士山は雲の中。

ところがしばらくすると、雲が取れて富士山がその雄姿を見せてくれました。
ここぞとばかりに、皆さんは夢中でシャッターを押していました。

最後に訪れた修善寺梅林。紅白の梅林が光を浴びて、美しく輝いていました。
「花あり、海あり、山あり」の三拍子揃った多彩な伊豆の風景を満喫した3日間となりました。
例年の10月下旬であれば、見渡す限り美しい秋色に染まる小国の山々。
ところが今年は紅葉の色づきが遅く、一週間前に現地に確認すると「木々はまだ青々としています」。
さらに台風も近づき、不安な気持ちで現地に到着しました。

しかし結局、それは取り越し苦労に過ぎませんでした。
数日間続いた冷え込みで急速に木々は色づき、期間中に雨が降ったのは数時間程度と
天気も上々。

樽口峠では、新雪の飯豊連峰の上空に形のきれいなうろこ雲が次々と現れ、
予想もしていなかった秋と冬の共演シーンを皆さんは夢中で撮影していました。

大風景を前に、鈴木さんの指導にも熱が入ります。

期間中にはPENTAX 645Dの貸し出しも行われました。
今までにカメラ店などで触ったことはあっても、小国の雄大な風景を前に実際に撮影できるとあって
皆さんに大人気でした。


秋空から雨に煙るブナ林まで、さまざまな表情を見せてくれた小国の風景。
「どんな時でも状況に応じて狙いを変えて撮る」と言った鈴木さんの言葉がとても印象的でした。